排水管の調査にも二通りの調査方法があります。
抜管調査(サンプル採取調査)と非破壊調査です。
抜管調査は実際に使用している排水管を切断してサンプル管とし、ネジ部、直管部の肉厚を計測します。
もともとのJIS規格で設定している肉厚から、残存する肉厚を引くと腐食してなくなった厚さが分かります。
その無くなった厚さを経年で割ると、年間腐食スピード(年間腐食厚さ)が割り出されます。
その腐食スピードで残存肉厚を割ると、残存耐用年数が割り出されます。
この残存耐用年数をきちっと出す為に「抜管調査」を行う訳です。
従いまして、抜管箇所は最も劣化が進行している部位での抜管が要求されます。
なぜなら、残存耐用年数があと10年と割り出されているのに、1年後に漏水したという事になると、残存耐用年数があてにならないという事になるからです。
排水管で最も劣化している部位は、流し系統の立管と枝管の接続されている最終継ぎ手部になります。
二番目に劣化している部位は流し排水の枝管のネジ部です。
鉄管を使用している場合、ネジ接合をしていますから、あらかじめネジ部は鉄管の肉厚が薄くなっています。
従って、鉄管の直管の肉厚よりネジ部の肉厚が早く穴があきやすい。
更に、流し排水は油を多量に流され、管内に付着します。ベタベタ状態が毎日です。一度油が管内に付着するとほとんど取れません。
その油が酸化し鉄管を一緒に腐食させます。且つ、水も毎日多量に流されますので鉄管は油と水の両方で傷められます。
そして汚れが滞留しやすくなりますので年に1度、高圧洗浄清掃を行います。この時に管内をきれいにする為、相当の圧力水で洗浄しますので、錆た管内の錆が汚れと一緒に剥離する事がしばしばです。
この事で、鉄管の肉厚はどんどん失われて行きます。薄くなる訳です。
そしてやがて漏水というメカニズムになっています。
そういう漏水にならない為に、具体的な対策工事をいつ行うのか、延命化の時期を割り出す目的が「抜管調査」で得られるのです。
非破壊調査ではX線や超音波、ファイバースコープ調査、などがあります。
X線や超音波調査では管の残存耐用年数を割り出す事はできません。
ファイバースコープ調査では排水管の中の汚れや詰まり、勾配の不良を調べる事ができます。実際に目で確認する事ができます。
いずれにしましても、耐用年数を把握して大きなトラブルになる前に対策工事、延命化工事の具体的に時期を推定し、マンションの保全をはかる事が大切と思います。
手遅れになりますと、排水管の更新(取替え)工事は大変なことになります。高額な工事になる事と室内に入室しての工事が何日にも渡り、騒音、ほこり、プライベート侵害、内装問題、などなど とんでもない悲惨な事態になります。
経年20年を迎えたら、「排水管の劣化調査」は必ず行うべきと思います。
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