改修専門業者を数社リストアップし、「無料、目視調査」を依頼する。気持ちよく調査を引き受けてくれるところに依頼し、「目視調査報告書」・「提案書」を提出してもらう。
業者には工事を正式に行う際に入札参加の権利を見返りに提供する。
実際にその業者は受注できるか分かりません。しかし業者からみれば受注見込み客のひとつになるのです。
目視調査くらいは専門業者なら販売促進活動のひとつとして社内決済はできる筈です。
これは業者から見た視点での現状の劣化状況や中長期的視野から見た建物維持保全ととらえる事が出来ます。但し、専門業者だからと言って100%鵜呑みにする事はありません。
あくまでも業者の視点で、という事を前提に参考とさせて頂くことです。
プロがどのような項目でチェックをしてきたかという項目と内容の把握が大切です。
その次に最も大切な作業があります。それは全戸に対してのアンケートの実施です。自分が普段、感じている事。理事の方々がそれぞれ感じている事。それらをつぶさにアンケートにして極力全世帯から回収する事を目指して下さい。
これらのアンケート調査項目がまとまったら、建築、給排水設備、電気設備、消防設備、などの大項目に分けてみてください。分からない分野は「たぶんこの分野ではないか」という程度でOKです。
アンケートの項目と各戸の気がついた事、困っている事、迷惑に感じている事、等々も記載するコーナーをつくり、一緒に回収します。
これは生活環境の実態調査といっても良いでしょう。実は改修工事をただ単に行っても対費用効果と改善効果がでない場合が多いのです。
このアンケート調査は管理会社や業者に任せてはいけません。管理組合の皆さまの財産であり、骨であり血であります。ここからほんとうの改修工事が始まるのです。
そしてこのアンケート調査結果の項目と優先順位、専門業者が目視調査を行って提案してきた項目と優先順位を比較、検討して本来の改修項目、内容が決まってくるのです。
専門知識が必要になった時は、何社かの専門業者に解説してもらったり、セミナーを実施してもらったりする活動も有効です。
10年に1度の大規模修繕工事の実施というお題目に惑わされないで下さい。10年に一度だからこそ慎重に、計画的にならなければなりません。
10年が11年になっても12年になってもしっかりとした計画と対費用効果、改善効果に結びつくものにしなければなりません。
よく建築工事で10年で防水の保障が切れるので、その前に大規模修繕工事を行いましょう。という業者や管理会社がいます。これは理由になっていません。ただ防水の保証がきれるというだけの事です。保証がきれたら漏水するのか、いきなり不具合がでるのか。そんな程度の防水施工なのか。という事になります。
あおられる必要はありません。10年の保証がついている防水でも施工不良で5年で補修をしなければならない場合もあります。
過去の補修記録もしっかりと振り返り、何がどのように補修されてきたかを把握し、今後の耐久性はどうかと補修した業者に聞く事も大切です。
何と何をどうすればよいか、今、悩んでいる事と、今まで不便だと管理組合員が思っていた事、そして専門的に長期的建物維持保全の事、現況の法律に適した改善事項、などを管理組合がまとめる時代がやってきたのです。
そして長期修繕計画に落とし込みをしてみて下さい。
これらは大変な作業です。従いまして専門委員会を管理組合の諮問組織として作り、1年でも2年でもじっくり協力して頂けるメンバーで継続して行います。
ただ単に建築業界にいる人だから修繕委員にするという安易な発想ではなく、前向きに取り組んで頂ける人たちに集まってもらう。「私たちのマンション、財産は私たちが守り抜く」という強い正義感のある方々が理想です。
修繕委員会というと男性と思いがちですが、そんな事はありません。絶対といっていいほど女性にも参加してもらいたい。特に主婦の意見は大切です。
建築業界にいる方でも、得意とする分野とそうでない分野とありますので皆素人で一から勉強しながらやっていく気概の方が大切です。
骨子をまとめたら どうするか。は次回です。
つづき
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