南青山の某マンションの改修工事の入札がありました。
そのマンションのある区分所有者の推薦で給排水管設備改修工事の入札に参加しました。
6社程の入札参加で最終審査のヒアリングに3社が選定されました。
その中に私どもも残る事ができ、必死にヒアリング資料を作成し、且つ現場を何度も視察調査し、独特のアイデアとコストパフォーマンスを考え、万全の態勢で臨みました。
某大手管理会社と新築関係から最近改修工事分野に進出してきた専門業者と私ども改修専門業者の三つ巴でのガチンコ勝負でした。
入札では私どもが4000万円と一番安く、2番目が某大手管理会社6800万円、3番目が新築関係の専門業者の8000万円という結果でした。
本来ならすんなりと一番安い入札金額の私どもに決まる筈なのに、ヒアリングのやり直しになりました。
再度、見積もり提出という事になりました。今度は私どもと某大手管理会社との2社に絞り込み、一騎討ちになりました。
再ヒアリングに提出されました見積り金額は、私どもが4200万円、某大手管理会社が7000万円と2社とも見積りが上がりました。
それは中国需要が高まり管材が一斉に2度も値上げされた事にありました。
この再ヒアリングはひどいものでした。私どものヒアリングに某大手管理会社が立会い、ヒアリングの内容をすべて聞いてから、某大手管理会社がヒアリングに出向くという、いわば私どもの手の内をすべて聞いてからのヒアリングという常識を悦脱した行為でした。
しかも某大手管理会社のヒアリングが終わるまで待っててくれという指示が理事長からありました。
某大手管理会社のヒアリングが終わり、理事長に再再度、呼ばれました。
理事長いわく「なぜ、御社の見積りはこんなに安いのか。その理由を知りたい」との事でした。
私はずばり言いました。「私どもの見積り金額に1次下請けの15%を乗せ、管理会社の25%を乗せて合計40%を足せば、私どもと某大手管理会社との見積り金額の違いになります。
つまり中間マージンをすべて削除すれば私どもの見積り金額になります。何か不自然ですか」と答えました。
さすがの理事長も副理事長と腕組をし、困惑した表情になりました。
そして何を取り違えたか、私どもに「御社は小さい会社なので何かあるとこまるので、頭に冠企業を付けられないか。できれば1部上場企業がいいのですが、可能ですか」と言ってきた。
びっくりしましたねぇ。
わざわざ見積り金額が高くなってもいいと言うのです。
あまりにもびっくりしたので2〜3社、候補はありますが先方の都合と了解を得なければ名前も明かせませんので後日、ご連絡をします。
また、もし差し支えなければ、そこにいる某大手管理会社さんでもいいですか、ただし乗せるのはせいぜい10%か15%以内であれば」と答えました。
理事長はそれでもいいよと返事をしましたが、さすがに某大手管理会社側は返事をしませんでした。
結果的に後日、理事長から私どもへ連絡が来て、「大変残念ですが、今回のお仕事は某大手管理会社にやっていただく事にしました。」との事になりました。
最終入札金額をお聞きすると、7000万円で契約を某大手管理会社としたそうです。
私は「なぜですか、今後の事もあるのでその理由をお聞かせ下さい」と申し出ました。
その答えは「管理組合の修繕積立金はみんなのものです。大切に使いたいし、何かあとあとあるといけないので、高くても安心料と思い某大手管理組合に決めました」との理由だそうです。
私は数々の管理組合様を見てきていて、どこの管理組合様も管理費をいかに安くするか、修繕積立金をいかに効率よく使用するかに翻弄している各理事長さんを多数、みてきています。
その苦労は並大抵ではありません。
それだけにここの管理組合の理事長さんや理事の方々は中間マージンに2800万円も支払うのであります。
ただただあきれるばかりの前代未聞の出来事でした。
私どもが受注できないのはまだあきらめるとしても2800万円もの差というものはどうでしょうか。
管理組合員の全員が納得したのでしょうか。
こういう事態に招き入れた某大手管理会社のやり口はとうてい納得のいくものではありません。
「何かあると怖い、大企業なら安心というブランド意識が大を勝たせる無駄使い」になっているとつくづく思いました。
あれから2年が経って今年、そのマンションの前を通りかかりよく見てみると給水管が露出配管で表面のステンレスのカバーがすでにデコボコになっていてとても見にくい状態になっていました。
「あぁ・・あ、私どもなら表に見えない配管ルートできれいにできたのになぁ。ふっ」と負け惜しみの笑みがこぼれました。
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